通信制高校でには、どれぐらいの学費がかかるのでしょうか。それは、公立の場合と私立の場合でも違ってきますし、私立の場合でも株式会社が運営している場合と学校法人が運営している場合でも違ってくるものです。
また、通信制高校だけでなく、同時にサポート校(塾のようなところ)にも入らなければいけない場合もあり、この場合にはサポート校の分の学費まで必要となってきます。
ただ、通信制高校では学費を軽減できる制度として国からおりる「就学支援金制度」の利用ができるので、この制度の対象となる方であればあまりお金をかけずに学べるようになります。その他、高校が独自に定めている各種割引制度などを利用する方法もあります。こういった制度を上手く活用していけば、経済的に不安がある方でも問題なく学んでいくことが可能となります。
さらに、アルバイトや仕事などと両立することもできるので自分で学費を稼ぎながら学んでいくということも十分可能です。このページでは、そういった通信制高校の学費に関することを中心に紹介していきます。
もくじ
通信制高校でかかる学費について
通信制高校にかかる学費は、高いところから安いところとピンからキリまであります。とにかく、全日制高校とは比べ物にならないくらい選ぶ高校や選ぶコースによって金額が変わってくることになります。
下記、注目すべきポイントごとに説明していきます。
公立なのか私立なのか
公立の通信制高校については、学校数は少ないですが存在します。この場合、授業料は無償なので、それ以外の施設費や教材費などのみ支払えば良いことになり、経済的にはとても楽になります。ただ、一方では、公立の通信制高校は人気があるため、入学するのが難しかったり、入学後もサポートが少ないため卒業率が低いというデータもあります。
私立の通信制高校については、年間20万円程度と安いところもありますが、高いところでは150万円程度かかるところがあります。ただ、これは就学支援金制度を利用できるかできないかで大きく変わってきます。
(私立の場合)運営している設置者が株式会社なのか学校法人なのか
私立の通信制高校には、設置者が2種類あります。株式会社が運営している高校の場合は、比較的学費が高額のところが多いです。そして、学校法人が運営している高校の場合は良心的な金額であることが多くなっています。
通信制高校だけの場合とサポート校にも入らなければいけない場合について
通信制高校の中には、通信制高校だけで入学すればいい場合と、提携しているサポート校(塾のようなところ)にも同時に入学しなければならない場合とがあります。
両方入る場合には、高校とサポート校のそれぞれに学費がかかってしまうので、支払う金額は多くなります。ただし、サポート校は学習面だけでなく、生活面や精神面なんかもサポートしてくれる教育機関なので、協力してもらいながら、ほぼ確実に通信制高校を卒業できるようになるといったメリットもたくさんあります。
それぞれの高校によって全く違ってくる部分になるので、気になる方はパンフレット等でしっかり確認したり、各校に問い合わせてみることをおすすめします。
通学する日数や専門的なコースなど、選ぶコースによって変わる場合
同じ通信制高校の中でも、学校に通学する日数によって学費が変わってくる場合もあります。複数の学校の学費を比べる場合にも、同じ通学日数で比べてみないと意味がありません。
また、各種資格取得を目指すコースやネイルコースのような専門的技能を学ぶコースを追加で選択する場合には、その追加分の学費がかかってきます。
その他、スクーリングにかかる費用は学費とは別途徴収しているところもあります。遠方でのスクーリング参加が必須の高校の場合には、その金額も確認しておきたいところです。
学費の支払方法について
学費の支払いについては、「一括支払い」「前期・後期での分割払い」「月払い」と学校によってさまざまです。お金の支払いのことは、大変重要なところなので募集要項やパンフレット等でしっかり確認するようにしましょう。
なお、一括払いとしている学校であっても支払いが困難な場合には分割支払いが可能になる場合もあるようです。ただ、その場合には、利息があるのかどうか(いわゆるローンなのかどうか)まで確認する必要があります。
学費の軽減制度について
通信制高校では、各学校が独自に設定している各種割引(兄弟割引・学業優秀学費免除など)を利用することによって学費の軽減を図ることができます。ただ、その中でも利用できれば絶対に利用したいのが「就学支援金」という制度です。本当にお得な制度なので要チェックです。
就学支援金制度
正式には、「高等学校等就学支援金制度」といいます。国による本当にありがたい制度で、学生の学びを支援する制度となっています。もちろん返済する必要はありません。
そして、通信制高校では、卒業までに合計で74単位を修得する必要がありますが、その1単位ごとに5,000円~12,000円程度の授業料を国が負担してくれるため、実質的な授業料は軽減されることになります。
ただし、この制度は親や本人の収入によって金額が変わってきますし、収入が多い場合はもらえないこともあります。まずは自分にこの制度の利用ができるかどうかを事前に確認するようにしましょう。基本的には、市役所等で発行できる「課税証明書」をみれば確認することができます。
所得基準や支給額は下記のようになっています。
通信制高校の場合の就学支援金(私立)
所得基準 (保護者等の市町村民税所得割額) | 世帯年収の目安 | 1単位あたりの支給額 |
154,500円以上 304,200円未満 | 年収590万円~ 910万円未満程度 | 4,812円 |
51,300円以上 154,500未満 | 年収350万円~ 590万円未満程度 | 7,218円 |
100円以上 51,300円未満 | 年収250万円~ 350万円未満程度 | 9,624円 |
0円 (非課税) | 年収250万円未満程度 | 12,030円 |
その他、都道府県などの公的機関の奨学金を利用することもできます。返済の必要があるものがほとんどですが、多くの場合が「無利子(利息がつかないもの)」です。
学費を働きながら稼ぐ方法について
通信制高校では、学費を自分で稼いでいる人も多くいます。もちろん、両立すべきかどうかは将来にどのような夢があるかにもよります。
高校卒業後はすぐに就職したい人は、学生時代からアルバイトをして社会経験を積むのが良いかもしれません。高校卒業後は大学に進学をしたい人の場合は、高校在学中はアルバイトをせずに受験勉強に専念するほうが効率的かもしれません。
また、家庭の経済状況によっては、学費を自分で稼いで支払わざるを得ない場合もあると思います。そのような様々な面から自分の状況を見て、どうすべきかを考えてみると良いと思います。
では、通信制高校とアルバイト等を両立するにはどうしたらいいのでしょうか?あくまで一例ですが、アルバイトと正社員の仕事を持つ場合に分けて紹介していきます。
アルバイトと両立する場合
アルバイトと両立する場合には、昼間は学校に通って夕方からアルバイトをするというケースや、特定の曜日だけアルバイトをしてほかの曜日は学校に通うというようなスタイルが考えられます。
正社員と両立する場合
正社員と両立する場合には、学校には通わないコースを選ぶのがいいでしょう。そして、仕事後の夜の時間や休日の時間を使って自宅やカフェなどで学習をすすめていくスタイルが考えられます。なかなかハードではありますが、このような形で卒業している人もたくさんいます。
通信制高校の学費はどれぐらいかかる?支払方法やお得な制度についてのまとめ
これまで紹介してきたように、通信制高校の学費は公立か私立かで違ったり、運営しているところで違ったりとさまざまであることを理解していただけたと思います。そして、その金額は20万円~150万円とピンからキリまであるのです。
ただ、通信制高校で学ぶには、学費の支援をしてくれる「就学支援金制度」という強い味方が存在します。せっかく国にこういう制度があるのであれば利用しないのは本当にもったいないです。
また、より経済的に厳しい場合は、都道府県等の奨学金を利用したり、アルバイト等で学費を稼ぐという方法もあります。このように、学業を続けていくためにはさまざまな方法や手段がありますので、うまく活用していきましょう。