不登校の学生には、通信制高校が向いていると言われます。これまで学校に全く行っておらずに不登校だった学生が「通信制高校なら通えそうだ」と思えた理由はどのようなところにあるのでしょうか。
基本となるポイントとしては、「不登校」といった環境を急に変えることなく、少しずつさまざまな手段を用いて自立できるような環境が整っているという部分があるからです。このページでは、その理由について4つの視点から紹介していきたいと思います。
もくじ
ほとんど通わずに卒業ができる
通信制高校の大きな魅力としてあげられるのが、「ほとんど学校に通わずに卒業できる」という点です。
やはり、今まで不登校だった学生としては「学校」という場所に抵抗がある場合が多く、「どれだけ学校に通わなければならないのか」という部分が気になるところだと思います。一般的には、通信制高校では普段は学校に全く通わなくても、年に数回あるスクーリングにのみ出席すればあとは自宅での学習とレポートの提出だけで学習を進めていくことができます。
また、多少登校する場合でも、「学校」というイメージとはかけ離れた小さな個室などでの学習が多いので、今まで学校には通えなかったけれど、「通信制高校の学習センターには通うことができた」という人も多いのです。
週1回程度からならし登校することもできる
通信制高校に通うという選択をした場合でも、学習センター(キャンパス、教室など様々な呼び方がある)は基本的に少人数でのんびりと自由な雰囲気で学習を進めていることがほとんどです。
校則などはほとんどなく、皆が私服(一部制服の学校もあるのでパンフレット等で確認しましょう)で自分のやりたい科目を好きなペースで進めており、それを先生がサポートするという形となっています。
また、学校の時間においても、朝からしっかりと出なければいけないということも少なく、学校が開いている時間の中で好きな時間に通うことができるシステムとなっています。そして、週に学習センターに通う日数も入学時等に自由に選択できるようになっています。
まずは週1回の登校などからでも始めてみて、「通えそうだったら回数を増やす」というような形で、無理することなく、外出することや人前へ出ることに慣れていくのも悪くありません。
なお、登校の頻度が多いパターンとしては、週に5日間通うこともできるので、そこまでいくことができれば不登校とはいえなくなるでしょう。
中卒ではなく高卒になることでより無理ない働き方を探しやすくなる
就職を考える上でも、中卒のままでいるよりは高卒になった方が労働条件は良くなる場合が断然多いです。
「労働条件が良い」ということはそれだけ「仕事にも通いやすい」ということです。そのため、もともと不登校の学生にとっても仕事を続けていく上で断然有利になるのです。
例えば、週5日勤務の会社と6日勤務の会社では、誰もが6日勤務の方が続けにくいと思いますが、それは不登校だった学生にとってより続けにくいと考えても良いでしょう。また、高校でさまざまな教養を身につけることによって、多くの知識や価値観を得られるため将来の仕事においても有利に働くことができるようになります。
自由な時間で資格取得やアルバイトへの慣れなどを目指すこともできる
通信制高校では、学校に通うコースでも通わないコースでも共に多くの余暇時間があります。夏休みや冬休みなども全日制高校に比べると長い場合が多くなっています。そのような多くの自由時間の中で、高校の勉強とはまた別に、好きなことや得意なことを生かして資格取得等を目指したりすることで、高校卒業後の就職等にも生かすことができます。
また、意外かもしれませんが、学校は不登校だった場合でも「アルバイトなら行けた」ということも少なくありません。無理のない程度からアルバイトを始めてみて、徐々に働く日数を増やしていくことで自信をつけていき、社会で活躍して行く「第一歩」を踏み出すことも可能となります。
これまで「学校に通えなかった…」という学生にとって、「こんな自分でも働けるんだ」という思いはとても重要なことです。「仕事をする」ということは自分が「求められていれる」ということなので、「こんな自分でも必要としてくれている」「社会の役に立っている」という思いから自己肯定感を高めることにも繋がるのです。
不登校の学生に通信制高校が適している理由についてのまとめ
ここでは、不登校の学生に通信制高校が適している理由として、
- ほとんど通わずに卒業ができる
- 週1回程度からならし登校することもできる
- 中卒ではなく高卒になることでより無理ない働き方を探しやすくなる
- 自由な時間で資格取得やアルバイトへの慣れなどを目指すことができる
の4つの視点から紹介してきました。
もちろん、それぞれの個人によって向き不向きはありますが、やはり典型的な不登校の学生にとっては、色々なことを少しずつからでもチャレンジできる通信制高校がベストな選択肢と言っても過言ではありません。
また、現在全日制高校に在籍しているけど学校に通えなくて困っている人においても、通信制高校への転入学なども前向きに考えてみてはいかがでしょうか。