通信制高校は、全日制高校に通学する場合などと比べて、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。あくまで一例ですが、メリットとしては、「学習することが明確で自分のペースで進められる」「自由な学生生活を送ることができる」などがあり、デメリットとしては、「自己管理能力が要求される」「大勢の中で友人を作ることが難しい」といったことがあります。
下記では、これらのメリット・デメリットについて具体的な内容を詳しく紹介していきます。
もくじ
通信制高校のメリットについて
それでは、通信制高校のメリットから説明していきます。
学習することが明確で自分のペースで進められる
全日制高校では、決められた時間割どおりに授業が進められてその勉強をしていくような形となります。もちろん、自習で先の内容をやっていくのもいいですが、どこから手を付けるべきなのかが把握しづらいというものがあります。
その点が、通信制高校では、レポートで学習を進めていくので、レポートの内容を埋めていけるような勉強をすればいいことになります。つまり、学習することが明確で「どこから手を付けたらいいのか…」とはなりにくいです。また、学校・コースによっては、週に何回か学校に通うこともできるので、分からないところだけを先生に教えてもらうことで効率よく学習することができます。
そして、この事は自分のペースで進めていく時にも大きな魅力となります。例えば、「◯月には、用事があって勉強できる時間がない!」という場合でも、レポートなので「今のうちに集中して頑張ってここまで終わらせておこう!」といった感じで、「まとめて勉強を頑張って、あとで少しゆっくりする」という方法も可能なのです。
このように、自分で学習のペースを調整できるというのは通信制高校の大きなメリットとなります。
自由な学生生活を送ることができる
全日制高校に比べると、圧倒的に時間的にも精神的にも自由な学校生活を送ることができます。時間的に朝から夕方までの登校という制約がありませんし、制服などの校則も少なく、アルバイトなども自由にできるところがほとんどです。このようなことから、気分的な解放感が全然違います。
重要なのは、自由である分「自己責任でなんでも行うことになる」ということです。
アルバイトなどほかの活動と両立しやすい
アルバイトや芸能活動、スポーツ活動などの学校外の活動にも打ち込みたい人には通信制高校のシステムは大きなメリットになります。
いつどこでも学習を行うことができ、基本的に登校の必要がないため、仕事の合間などを縫って勉強をすすめていくことができます。体力的にも無理なく両立することができるでしょう。
事情がある人でも通いやすい
経済的な理由で仕事をしながらしか勉強できない人や、心や身体に不調があってなかなか全日制高校には通うのが難しい人にとって、時間的にもシステム的にも合っているのが通信制高校です。
同じようなバックグラウンドをもった仲間が多くいるのも特徴で、全日制高校では自分が特別に思えてしまうことでも、通信制高校では同じような方が多くいるため友人も作りやすい環境となっています。
通信制高校のデメリットについて
つぎに、デメリットについてみていきましょう。
自己管理能力が要求される
全日制高校と比べると、通信制高校では自分で時間を作って勉強をすすめていく必要があります。そのため、さぼろうと思えばいくらでもさぼれてしまう環境にもなってしまいます。その中で、いかに自分で考えて計画的に行動を起こしていくかが卒業までに重要なことになっていきます。
言われたことを管理された状態でやっていくのが好きな人にとってはあまり合わない環境かもしれませんが、人に言われてやるのが好きではない人にとっては絶好の環境といえます。
大勢の中で友人を作ることが難しい
通信制高校では、基本的にたくさんの人と一緒に学校生活を送るということはあまりありません。そのため、大勢でわいわいやりたい人や、友達を大勢作りたいという人にはあまり合っていないところともいえます。
逆に言えば、大人数が苦手な人や少人数でアットホームな雰囲気が好きな人にはぴったりなところといえます。
学力のレベルにばらつきがある
通信制高校では、全日制高校のように在籍する生徒の成績が定まっていません。そのため、東大に行ける人から小学校の内容も怪しいという人までが一緒に勉強するところになります。
通信制高校では個別指導に近い形になることが多いのでそのレベルに応じた勉強をすることはもちろん可能です。ただ、集団授業でレベルの高い授業を求める場合には通信制高校が物足りなく感じることがあるかもしれません。
高校生らしい行事が少ない場合も多い
これは、それぞれの通信制高校によって違いますが、文化祭や体育祭などの高校生らしい行事が、全日制高校に比べて少ないことも多いです。また、行事自体があっても、「希望者参加型」ということが多いです。
ただ、逆にいえば、嫌々やる人がおらず、本当にやりたい仲間だけで楽しめるというのは全日制高校にはない良さともいえるでしょう。この辺りは、それぞれの価値観や考え方によってとらえ方は変わってくるところだと思います。
通信制高校のメリット・デメリットについてのまとめ
このように、通信制高校には全日制高校にはないようなメリット・デメリットがあります。ただ、これらはあくまで特徴であって、その人の捉え方によって良くも悪くも影響するものでもあります。そのため、一概にメリット・デメリットと言えないところもあります。もう一度、「これは自分でとってはメリット(デメリット)だ」ということを自分なりに考えてみて下さい。
そして、基本的なキーワードとなるのが、メリットでは「自由」ということで、デメリットでは「自己管理」ということです。自由である分、自分で学習の目標や計画を立てて進めていかなければ卒業することはできません。そのことを踏まえた上で、通信制高校のシステムを上手く利用し、充実した学生生活が送れるようにしていきましょう。